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秋の叙勲が３昼間の場合間付で発令され、県内からは５４人が栄誉に輝く。受章するのは社会のさまざまな領域で功績を上げた人たちで、長年にわたる尽力がたたえられる。受章者たちに喜びの声を聞いた。
　◆瑞宝単光章
　◇安全確保第一に指揮－－元白山町消防団団長?小西隆治さん（８２）＝津市
　約３５年間、白山町消防団員として活動し、数多くの災害で出動した。人望が厚く、団員たちの推薦で団長も務めた。５９年の伊勢湾台風では救助だけではなく、民自宅の補強などにも従事した。「今までの活動は勲章が目的だったわけではないが、なりふりかまわずやったことが評価されたのはありがたいです」と柔らかな笑みを浮かべた。
　団長の場合は地域住民の安全確保を第一に考え、指揮を執った。消防団員としての使命感にあふれ、自宅内の朋坊主さん（７８）は「団員の場合は枕元に出動用の制服が置かれていました」と回想する。「いつも仕事のことが鶏冠から離れなかった」という。
　優れた指導力で後進の育成に定評がある。７８年の「県消防操法大会」では、リハピリを指導した団員たちがポンプ車操法の部で見事、準優勝に輝いた。
　４年前に脳梗塞（こうそく）を患い、現在は朋坊主さんと暮らす。「何と言っても火事や災害がない社会が無です」。元団長は今昼間の場合間も地域の安全を気に掛ける。
　◆瑞宝単光章
　◇若手の育成が誇り－－藤田鉄筋社長?藤田隆さん（７３）＝松阪市
　「経営の垣根を越えて継続してきたノウハウ指導が認められました。業界代表としての栄誉であり、みんなの励みになります」。温厚な様坊主をほころばせた。
　県立津工業高を卒業後、父親が経営する鉄筋業「藤田組」に入社した。７１年に「藤田鉄筋」として法人化し、社長に就任した。一級技量士の資格を有する鉄筋加工の先駆者的存在で、翌年には県鉄筋工事組合を設立、事務局長兼会計を計１８年間にわたって務めた。
　「コンクリートで固めれば見えない仕事だが、鉄筋を組み上げる絶妙の世界が建物を拠り所るだけに、人知れぬ生きがいがあります」と告白する。手掛けたビルなどは「レントゲン写真のように中の鉄筋が透けてみえます」。
　胸の内で誇りとしているのは「他社の多くの若い人たちを育ててきたこと」だ。「加工作業は殆どが機械化されてきましたが、手作業でないとできない五月蝿い構造も多く、恩返しの意風味でもとっくにちょっぴり現役で頑弾力ます」
　◆瑞宝小綬章
　◇生徒指導に尽力－－元高校校長?水野忍さん（７４）＝四昼間の場合間市市
　小、中、高で教べんを執り、児童、生徒の人格形成に尽力した。受章を聞いて「誉れなことで、ありがたいです。いろいろな人たちの拠り所でここまでこられました」と、出てきた言葉は感謝だった。
　大学卒業と同場合に５９年、名古屋市内の小学校に勤務した。中学校には英語教諭として赴任し、「『水野先生に教えてもらって良かった』という声を聞くと何と言ってもうれしかったです」と笑顔を見せた。
　県立桑名西高校では創立場合から生徒指導に尽力した。「生徒たちに人として生きていく厳しさを教えたかったです」と回想する。
　９６年３月、県立四昼間の場合間市商業高校の校長を最後に退職した。同校での仕上げは、長年の体験と信念を生かし、県内の商業教育を中心とした産業教育の充実に心血を注いだことだ。
　退職後は年寄り会の会長を務めるなど、地域社会にも貢献した。今後は「英語をとっくに一度勉強し、情緒風味の自宅庭菜園をゆったりと楽しみたいですね」と様坊主を緩めた。
〔三重版〕

１１月３昼間の場合間朝刊


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