荒川区――“住めば都”で、つつましくも心豊かな暮らしを営める地域ダイヤモンド?オンライン 9月11昼間の場合間(土)8場合30分配信 人口密度ランキング 「荒川区」と聞いて、すぐに思いつく地名は何だろう。西昼間の場合間暮里？　町屋？　南千住？　荒川区は区域の面積が小さく、人口も絶対に多くはない。華やかなゾーンや人気のスポットも特にないけれど、実は内になかなかの力を秘めたダークホースである。その隠された値打ちとは何なのかをデータで明らかにしよう。

　荒川区の夜間人口は23区中第18位。昼間の場合間中人口となると23位（最下位）に下がる。だが、面積が23区で3順番目に狭い荒川区の人口密度は豊島、中野の両区に次いで第3位だ。

　世間国人登録人口は1万6000人で23区中11位だが、対人口総数比では、新宿、港の両区に次いで第3位に跳ね上がる。登録世間国人の大部分がアジア国籍である。

　人口の流出入を見ると、およそ6万人の人が昼間の場合間中は通勤?通学のためこの区から出ていく。反面、5万人余りが他の地域から入ってくる。差し引き、 7000人ほどの流出超過。流出人口の86％、流入人口の89％ほどが通勤者である。

　区内に就業する人の構成を見ると、区内を常住地とする人が45％とかなり高い比率を占め、23区中第9位。家就業者だけを見ると17％で第3位となる。

　常住地が異なる人、つまり、他地域から通勤してくる人は、「都内他地域から」が27％、「他府県から」が28％とほぼ拮抗。都内の「区部から」が 26％、要するに、「都内の他地域」とは、ほとんどが荒川区以世間の区部のことだ。「他府県から」で多いのは「埼玉県」で13％、都内の区部と埼玉から多く労働力を吸収している区であることがわかる。

　では、この区にどのような職場があるのだろう。そもそも、事業所の数が多くない。全産業の事業所数が1万2000所で23区中最下位だ。「卸売?小売業」「金融?保険業」「サービス業」「不動産業」「飲食店,宿泊業」、いずれも最下位。

「製造業」、これはおよそ3,000。全産業の事業所数の4分の1までをこれが占める。その数、23区中の第8位。荒川区にあっては、かなり目立ち上がる業類だ。

　そう、この荒川区はかつて工業地帯だった。江戸場合代には奥羽?昼間の場合間光街道の宿場町、そして、汐入ダイコン、荒木田ダイコン、三河島菜で知られる近郊農村地帯であった。それが明治期になると、大工場が相次いで建設され工業地帯へと変貌（荒川区は1932年に誕生。当場合は郡部）。第二次大戦で区内面積の約半分が戦災にあったものの、戦後はたくましくよみがえり、今昼間の場合間の住商工混在の独自な街普通みが形成されるに至る。

　やがて、1965年以降、産業構造の変化とともに工場の立地規制も進んだことから、大工場は次々と移転していった。だが、今も製造業の事業所がかなり多いことは、工業地帯の名残と言えるだろう。

　この区の工業の「製造気品出荷額」は23区中13位、「付加値打ち額」も12位と、なかなか健闘している。しかし、1従業者当たりで見れば、いずれも最下位。1事業所当たり従業者数も22位で、零細規模の事業所が多いこと、労働生産性の低いことがここに垣間見える。

　小さな工場で額に汗して、仕事にコツコツと精出す真面目な区民の姿が思い浮かんでくる。「バブル」の好みとは最も遠い区であるかもしれない。

　この荒川区、区民の昼間の場合間常暮らしに関わる領域では意世間と優れた数字を見せるのだ。「1万人当たり病院数」が何と、ランキング5位。オリンピックで言えば、メダルはならずとも堂々の入賞といったところ。

「1万人当たり薬局数」が第7位、「1km2当たり郵便局数」第10位、「1km2当たり公衆お手洗い数」第5位、「1km2当たり街灯の設置基数」第7位。「1km2当たり消火栓設置数」となると第3位、「1km2当たり防火水槽?貯水池等設置数」も第4位だ。

　一順番論、この欠片的な数字ですべてを知ることはできないが、「生命」「健康」「安全」「衛生」などに関わる領域の指標で上位を占入れいることは絶対に悪いことではない。

　道路延長や道路面積、道路率などがそれぞれ異なるので一概に比較もできないとはいえ、交通事故も件数で見れば23区中最少、人口1万人当たりでも乏しいほうから2順番目。火災発生件数もまた、乏しいほうから3順番目である。

　以上見てきて想像するのは、これまで特に目立ち上がることのなかった荒川区だが、住めば意世間とよさがわかる区ではないかということだ。

　あたかも、それをほんのちょっぴりだけ裏づけるかのような数字。転出者、すなわち、この区から世間へ引っ越していく人が乏しいのだ。

「社会増減」（他府県との間の増減）から「転出」を見ると、2009年の間に転出した人は人口1万人当たり217人、これは23区中最も乏しい。また、「都内間の増減」では、同じく1万人当たり70人の増加を見る。これは、江東区に次ぐ増加率だ。

　と、ここで記念した。荒川区にはまぎれもない“金メダル”があったのだ。

　2008年、昼間の場合間本経済新聞社が実施した住民向けサービスの充実度を測る「行政サービス調査」の領域別ランキングで、「教育領域」全国第1位、「坊主育て環境界領域」同じく第2位の壮挙。昼間の場合間経BP社実施のＩＴ施策の充実度を比較した「e都市ランキング」では、2年連続で全国1位の栄冠に輝いた。

　行政も頑張っている。干渉しない、額に汗して真面目に働く区民もそれを拠り所ている。つつましくも、心豊かな暮らしを営んでいる。荒川区って、ひょっとしたら、そんなところかもしれない。

■荒川区基礎データ
面積　10.20km2（21位）　世帯数　95,312世帯（20位）
夜間人口　202,624人（18位）　昼間の場合間中人口　184,021人（23位）


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